ニット界最強のアウター、カウチンセーターとは?
メンズのファッションの中の定番として君臨しつつも、意外と最近ご無沙汰な人も多いのが、カウチンセーター。およそ10年おきのメンズファッショントレンドの中で近年注目度が急上昇中と言われるカウチンセーターについて、ちょいと深掘り。
セーターの分類について。
世の中には数多のセーターがある。大まかにはハイゲージ、ミドルゲージ、ローゲージと糸の太さで分類され、その形や柄、ネック形状などからセーターの名称は使い分けられている。中でもカウチンセーターというのは、少し特殊な存在だ。まずセーターの多くはインナーとして使われることが多い。ローゲージの重いニット製品の中にはアラン島の漁師の着衣に由来するアランニットやレタードカーディガンを筆頭に、アウター的な使われ方をするものもあるが、クルーネックやボタン留めのものがほとんどで、さらにその上にアウターを着込む余地のあるものが多い。ジップでの開閉式、アウターらしい厚手の襟を備えたカウチンセーターは異色の存在だ。
カウチンセーターの由来。
カウチンセーターは、カナダのバンクーバー島に位置するカウチン湖、さらにはその湖畔に定住した先住民族「カウチン族」の伝統的な衣類に由来すると言われている。サンダーバードやトーテムポール、鳥や熊や魚やバッファローなど彼らの信仰や狩猟の対象となったモチーフが柄として編み込まれていることが多く、油脂を含んだ太い羊毛の糸で編むことで防寒性や撥水性を備えていたことから、狩猟時などに着用されたと言われている。カナダのみならずアメリカ製のヴィンテージも多く見受けられるが、その多くはジッパーで開閉される。カウチンセーターはその普及に伴って様々な柄や配色の幅を広げていったが、こと現代のマーケットにおいては機械で編まれた安価で“それっぽい”カウチンセーターがほとんどだ。ローゲージの手編みのニットという生産上の難易度の高さゆえ、現代では本格的なカウチンニットはあまり市場に流通することはない。ヴィンテージや古着に親しみ、アメリカンカジュアルやアメリカントラッドをこよなく愛する世代としては、少々寂しい思いをしているのが実情だ。
“本物”のカウチンセーターが誕生。
たしかに、もはや非生産的としか言いようがない「手編み」のカウチンセーターは衣類界の絶滅危惧種だ。しかし、実はまだ作ることができることがわかった。そのためには「時間」と「費用」が必要……とあおるのがセールストークのセオリーなのだろうが、本作では費用は最小限に抑えさせてもらった。たったふたりの職人が手編みで制作するため、お届けまでは少々時間がかかるが、このクオリティなら2ndの別注アイテムとしてお届けできると言う確信を持って言いたい。「手編みでなければカウチンじゃない」そんな貴方も納得してもらえるはずだ。
ヴィンテージ好きも納得の2nd別注のカウチンセーター。
ルーツへの敬意を忘れずに、配色や柄は少し都会的に。ヴィンテージでは定番と言われるハンター柄を都会的にアレンジ。猟犬はフレンチブルドッグに、そして猟銃をリードに、そしてキジは都心のハトに姿をかえることで、ハンティング→お散歩モードへと趣を変えた。ネイビー&ブラウンというパンツを選ばない落ち着いた配色も編集部一同納得の着やすさ。アウターとして着用できるずっしりと重いローゲージのニットアウターが手編みにしてこの価格。製法からモチーフまでルーツへの敬意を忘れずに、現代のエッセンスを注入した本物のカウチンセーターが完成した。
スタッフ着用レビューはこちら
商品の詳細はこちら
戻る
ニット界最強のアウター、カウチンセーターとは?
【2nd編集部のレビュー&スナップ】gim × 2nd...
ARMY TWILLというブランドを知ってますか?
実はあまり知られていない幻のブランド、「アーミーツイル」。よほどの古着好きならタグくらいは見たことがあるかもしれないが、あまりメジャーなブランド名ではないだろう。アメリカのブランドであることは間違いない。そして、ブランド名の「ARMY」は陸軍を意味するとして、「TWILL」とは何か?