The 2 monkeys × Lightning VAUDEVILLE BOOTS "Black Colts‟

100年以上前のデザインをイメージしたトラッド＆エレガントなブーツ

〈ザ トゥーモンキーズ〉がインラインで展開しているモデル［ヴォードビル］。ヴォードビルとは、映画が普及する前に大衆から親しまれていた演劇のこと。1880〜1920年ごろに劇場から劇場へと飛び回っていたヴォードビル役者の足元をイメージして作られたのが本モデルだ。この、すでに完成されたツウ好みな一足に、弊社が別注をかけて作っていただいたのが［ブラックコルツ］というスペシャルモデル。ブーツ上部と下部の革がツートーンで異なっている点が最大の特徴である。革自体は同じ馬革なのだが、染料の違いで、ここまで表情が異なっている。なぜこのような仕様にしたのか。それは、かつての大衆演劇「ヴォードビル」の話同様、100年以上も前の革靴のデザインから着想を得ている。

ブーツと聞くと、アウトドアやワークが起源だと思われがちだが、当時街ゆく人々はみなブーツを履いていた。なぜなら、まだ道路が舗装されておらず、ぬかるんだ地面を歩くには、ブーツのような堅牢性と歩行性が欠かせなかったからだ。その当時はまだ内羽根が主流で、上部と下部の革が異なっており、上部は脱ぎ履きする際にストレスのない柔らかな革、下部は土や泥などで汚れてもいいように丈夫で比較的硬い革が使われていた。極めて実用的な、先人たちの知恵が詰まったデザインだったと言える。この意匠は、外羽根のモデルが登場する後世にも、すこしだけ受け継がれていた。そんな、非常にニッチなポイントをついた別注作が［ブラックコルツ］だ。ここまでヘリテージ（遺産）的な意匠を携えたブーツは、ほかになかなかないだろう。

これは〈ヴォードビル〉にそもそも備わっていたディテールであるが、先端の踏みつけ部をグッドイヤーウェルテッド製法、ウエストからヒールをマッケイ製法と、2つの製法を組み合わせることで、ウエストを大きく絞り込んだデザインも大きな特徴。ブーツながらエレガンスも携え、スラックスにもマッチする。むしろデニムなどのワークパンツでアメカジ調に合わせるよりも、ドレッシーに履きこなしてほしい。また、オブリーク（幅広）トゥの中心がぽっこりと盛り上がったオリジナルディテールやキャップトゥのデザインは、上品さの中でほどよくアクセントとして主張する。スラックスの裾から歩行時に覗く2トーンの切り替えもたまらなくオシャレだ。

【ポイント①】
100年以上も前の革靴をイメージした2種類の革の組み合わせ

先にも述べたが、かつて革靴がそうだったように革は2種類で切り替わっている。いずれも同じ種類の馬革だが、下部は顔料染め、上部は染料染めにて製作。見た目としては、下部は硬くベタッとした質感で、上部は柔らかく自然な革の表情に仕上がっている。