ARMY TWILLというブランドを知ってますか?

ARMY TWILLというブランドを知ってますか?

実はあまり知られていない幻のブランド。

「アーミーツイル」。よほどの古着好きならタグくらいは見たことがあるかもしれないが、あまりメジャーなブランド名ではないだろう。アメリカのブランドであることは間違いない。そして、ブランド名の「ARMY」は陸軍を意味するとして、「TWILL」とは何か? 服好きなら、知っている人も少なくないだろうが、綾織りで構成されたファブリックを意味する。デニムなどと同じように織目が斜めに走るのだが、その生地の剛健さがゆえ、ミリタリーアイテムによく使われている。いわゆるチノパンなんかに使われるのもコットンツイル生地。実際に上の写真のプリントタグをつけたヴィンテージのワークシャツを、まれに見かけることがある。というか筆者はシャツ以外でこのタグを見かけたことはない。パンツに使われるような屈強な生地で作ったシャツなので、もともとはかなり着心地が硬かったと想像されるが、古着店でよく見かけるのは1950年代から1960年代のワークシャツ。つまり、程よく着こまれていて風合いもいい。

 

ファッションブランド? 生地メーカー?

また、他のビンテージブランドのタグの中にも、「ARMY TWILL」という文字を見かけることがある。その場合も上記の写真と同様に「SANFORIZED」、あるいは「PRESHRUNK」という具合に、すでに縮ませている、あるいはこれ以上縮まないことを意味する旨の表記を見かける。つまり、アーミーツイルはファッションブランドというよりは、生地メーカーとして各社にツイル生地を納入していたブランドなのではないかと推測できる。いずれにしてもヴィンテージのアーミーツイルに出会えることはそう多くない。

 

ユーロヴィンテージと「ARMY TWILL」の出会いとは?

そんなある意味では幻のブランド、「ARMY TWILL」だが、2ndが別注するに至ったきっかけは、先シーズンの展示会。ARMY TWILLのコレクションはアメリカからヨーロッパ諸国まで様々なヴィンテージミリタリーウエアをモチーフとしながら、現代らしいカジュアルウエアへとモディファイ。デザイン、着心地、価格、そして何よりヴィンテージへのリスペクトを感じさせる総合力に驚いたからに他ならない。軍モノといえばアメリカ、ARMY TWILLのルーツといえばアメリカ、との先入観は見事に覆された。そして、あることに思い当たった。
そう、昨今のユーロヴィンテージ、ユーロミリタリーの人気ぶりだ。その後、2ndでも特集として取り上げることとなったが、ヴィンテージでも人気のアイテムは一気にタマ数も減り、この数年で価格が数倍に膨れ上がったアイテムもあるほどだ。その人気を受け、価格と希少性の点から、買いづらくなっているアイテムを2ndらしく作ることはできないだろうかという着想に至ったわけだ。

 

今回はブロークンツイルで!

M-35あるいはM-38と呼ばれるフランス軍のモーターサイクルパンツに目を向けたことで、新たに知ることとなったのが、アメリカ軍のアイテムは一般的なツイル生地が多いのに対して、M-35あるいはM-38はブロークンツイルを使っていたこと。そして、その硬さは同時期のアメリカ軍装品の比じゃないほどゴワゴワ! ブロークンツイルといえば、ラングラーのデニムを思い浮かべる人も多いだろうが、今回の別注で使用したのは、もっとライトでシャリっとドライタッチのブロークンツイル。生地はファーストサンプルを見て、そこにいた全員が納得。ARMY TWILLの名に恥じない生地で別注を進めることができたというわけだ。春にぴったりの生地で、軽やかにユーロミリタリー気分を味わっていただきたい。

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